君に届ける最後の手紙
俺とアイツの間に
「……おしっ!母さん!ちょっとチャリ借りるね!」


「チャリ借りるね……って、こんな時間にどこ行くのよ?やけにキメちゃって」


普段着飾らない俺が、髪の毛までワックスでいじって出掛ける……そんな俺を見れば母が驚くのは無理もない。


というか、何故こんなに気合いが入っているのか。それは俺にも解らない。


しかし、何か心が踊るんだ。


弾けそうなくらいに心が踊る。


「さぁ?どこだろね?」


「ちょっとアンタ、行き先くらい教えなさいよ?!」


「アサミんちだよ!」


そう言うと、母の右片方の口だけクイッと上がる。


「へぇ〜……」


「んじゃ行ってくるね!」


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