君に届ける最後の手紙
すると、


タッタッタッタッ……


後から軽快な足音が聞こえる。


それと共に……


「ゴルァァァ!!!」


物凄い怒声が聞こえた。


何事かと思い、振り返ると、それはそれはもう表し様のない程の形相で、アサミが追い掛けてくる。


もう完全に女である事を忘れている様だ。


「ヤ……ヤベっ……!」


俺は血相を欠いて逃げ出した。


捕まってはいけない。捕まったら煮たり焼かれたりして、最後はきっと喰われるんだ。


それくらいの恐怖感が俺を襲う。


……逃げなければ!


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