君に届ける最後の手紙
その帰り道。


「あぁ!なんっかムカつく!」


都会の喧騒もない、気持ちのいい林道。本来なら癒されるハズなのに、イライラが全く取れない。


シャコシャコシャコシャコ……


イライラしているせいか、自然と自転車を漕ぐ足も速くなる。


シャコシャコシャコシャコ


「はぁはぁ……ぜぇぜぇ……」


と、その時。


ピロリロリロ……ピロリロリロ……


自慢のピッチが鳴っている。


「誰だ?」


液晶をみると、どうやらゲンキからの様だ。


「もしもし」


『おう。久し振りだな』


時間は夜中の2時を回っている。一体なんの用だろうか?


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