君に届ける最後の手紙
その後20分程で、ゲンキが原チャの安っぽい音と共に現れた。


「おぅ!待たせたな!」


「ん。で、何の用だよ?」


「つれないなぁ……アサミとケンカしたんだって?」


やはりその件か。未だにアサミの暗黒ネットワークは健在らしい。


「はぁ……そうだけど、何?」


ヘルメットを外し、それをメットインにしまうと、ゲンキは飽きれ顔で言った。


「アサミもさぁ、結構色々あったみたいなんだよね。お前、随分連絡取ってなかったみたいだから解らないだろうけど……」


色々……まぁ鈍感な俺でも、何となくそんな気がしてた。


「色々と言いますと?」


するとゲンキは、その道の達人的な、俺を見下す感じで話し始めた。


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