君に届ける最後の手紙
「質問を変えよう。由は、一人でいるのが辛い時ってないか?誰かがそばに居てほしい時とかさ」


「……は?」


一人でいたくない、誰かがそばに居てほしい時……あるような、無いような……


「いや、無いな。無いよ」


「はぁ……何も気付いちゃいないねぇ。お前は幸せモンだな。辛い時、"寂しい"って思う前に、いつも誰かがそばに居てくれたんだよ。大事な誰かが」


何の事やらさっぱり解らん。言いたい事があるならハッキリ言って欲しい。


「何が言いたいのか解らないんですけど……」


俺がそう言うと、本日最大級の呆れ顔でゲンキが言う。


「はぁ……よく思い出してみ?中坊の頃、アサミさんにフラれただろ?あの時はどうだった?」


……どうって言われましても……。


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