君に届ける最後の手紙
「あの時は……辛かったな。でも、誰かがそばにいて欲しいなんて思ったことはねーよ」


嘘偽りなく、ありのままの気持ちを淡々と述べる。


「そりゃ、常に俺とかアサミが近くにいたからだろ?じゃ逆に、あの時俺やアサミが近くにいなかったらどうよ?」


「それは……」


それは辛かったと思う。


そういえばあの時、確かに感謝の気持ちがあったはずだ。


しかしそんな事、今は関係ないんではないだろうか?


あの時の俺は、失恋の痛みに打ちひしがれていたが、アサミが失恋したなんて聞いた事がない。


「それとこれとは全然関係ない話だろ?」


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