君に届ける最後の手紙
「それがさぁ、関係あるんだよね」


「はい?!失恋したってぇのか?!……アサミが?!」


後々から考えれば、誰にでもある事だろうに、俺は大袈裟な驚き方をする。


「あぁ。アイツ、小学校の時からずっと片想いしてた奴がいるんだ」


……全く知らなかった。


一番近くに居た俺が気付かなかったなんて……。


「で、誰だよ?……ケンスケ?……タケヒロ?……あ!ユウジか!」


「……お前だよ」


……ん?オマエ?そんな名前の奴いただろうか?


いや、いない。俺は辺りをキョロキョロと見渡してみる。


……やっぱり誰もいない。


ゲンキの言う"お前"は、俺以外に誰も居なかった。


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