君に届ける最後の手紙
『はい……』


インターフォン越しに聞こえる、アサミの涙声。


「俺……由だよ」


『何しに来たの?アタシの事、嫌いなんでしょ?』


明らかに喧嘩腰なアサミの言葉。


まぁ、それもしかたないだろう。悪いのは俺だ。


「謝りたくてさ……さっきは悪かった」


どんな風の吹き回しかと、一瞬アサミはたじろいだが、攻撃の手を緩めそうな気は無い様だ。


『アタシなんかと会わない方がいいよ。軽い女だから』


だからそれを謝りに来たんだろ!バ〜カ。


ぐらいは言ってやりたいところだが、ここでそれをやったら、何も意味を成さない。


「だ、だからねぇ、それを謝りに来たんでしょう?おバカさん」


よし、良く頑張ったぞ!俺。


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