君に届ける最後の手紙
――その日の夜。


はぁ……落ち着かない。


今までずっと友達として付き合って来た相手に、どうやって気持ちを伝えたら良いものやら……。


すると、そんな俺に気付いたのか、母が俺に話し掛ける。


「なぁに?アンタ落ち着きないわねぇ」


「何でもないよ……」


「そう?私には、告白を控えた恋する子羊ちゃんにしか見えないけどねぇ」


う……だから何で女ってのはこんなに鋭いのだろう。


ホント、無駄に鋭い。


しかし、この落ち着かない状況で、頼れる人は母親一人。


このまま自分の気持ちを伝えたら、本物の告白になってしまいそうだ。


一応、相談の一つもしてみるか……。


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