君に届ける最後の手紙
そう口ごもる俺に、母は意外にもピッチャーの素質を見せる。


9回裏、俺の攻撃。二死満塁でカウントは2ナッシング。


ピッチャー母さん。大きく振りかぶって……


投げました。


「なに?もしかしてアサミちゃん?!」


直球ど真ん中。


「ぐっ……」


見逃し三振。


「そ、そうだよ……どうすればいいのかな?ホント、今付き合いたいって訳じゃないんだ」


「ふ〜ん……じゃ、何で告白するの?今じゃなくてもいいんじゃない?」


それはごもっとも。が、元々俺から告白したくなった訳じゃない。


「いや、アサミが俺の気持ち聞きたいって言うからさ」


< 207 / 233 >

この作品をシェア

pagetop