君に届ける最後の手紙
照れ隠しをしながら言う俺を見て、母は不満げな顔をする。


「由、そんな気持ちで告白されても、アサミちゃん嬉しくないと思うよ?」


「なんで?」


「アンタ、自分の気持ちに嘘ついてるよ。だって、しょうがないからって感じだったら、断る事だって出来たでしょ?」


まぁ、言われてみればそうだ。


「ホントは、自分の気持ちを伝えたかったんでしょ?」


自分の気持ちを……伝えたい?


気持ちを誰かに伝えるのが苦手だった俺が、それを相手に打ち明けようとしている。


何でかはよく解らないが、いつもアサミのペースに嵌められてしまうんだ。。


些細な事かもしれないが、大袈裟に言えば俺という人間が、少しずつ明るくされてるのを感じる。


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