君に届ける最後の手紙
学校から出ると、アサミからのメールを読み返す。


「……午後二時に、城址の千本桜でね……今は十二時半。まぁ余裕だな」


今から向かえば十分前には着くだろう。


それもまた良し。


折角の千本桜だ。一人で楽しむ時間があってもいいだろう。


はぁ……何で俺はこんなにもオヤジ臭いのだろう……。


そういえば、母さんが言っていた。


「父さんも若いのに、オヤジ臭かったのよ」


って。そうか……俺がオヤジ臭いのは、父さんのせいだ。


よし、父さんのせいにしとこう。


……という事で、善は急げだ。


待ってろよ、千本桜。


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