君に届ける最後の手紙
電車を降りてしばらく歩くと、そこはもう現世では考えられない程、幻想的な世界。


時間旅行をして、平安時代にでも来た様だ。


「うん……ちゃんと言えそうだ」


周りの景色に後押しされて、自分の気持ちを伝えられそうな自身すら起きて来る。


「……アレ?」


随分早く来たつもりだが、意外といい時間になっていた様だ。


「ま、いいか。どうせ遅れて来るだろうし……」


俺は吐き捨てる様に呟くと、そのまま桜の下に寝転んだ。


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