君に届ける最後の手紙
二階へズカズカと上がり、横になりながら漫画を呼んでいると、突然俺の携帯が鳴った。


「なんだ?アサミか?」


いや、違う。携帯のディスプレイに映し出された名前は……


「ん?ゲンキ?……あいよ」


今日どうだった?なんて、在り来りな質問が来るかと思っていたが、どうやらそうじゃないらしい。


声が沈んでる。


「由……誰かから聞いたか?」


「何だよ突然。何をだよ?」


俺はゲンキに聞くが、なかなか要点を話そうとしない。


「アサミがさ……」


アサミがさ……その名前を聞いた途端、さっきまで聞きたかった話の要点を、聞きたくなくなってきた。


「アサミが……」


やめてくれよ……何だよ、その暗い声は。……ふざけてんだろ?


しかし、心の中での抵抗も虚しく、ゲンキの口からは、最悪の事態が告げられた。


「…………」


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