君に届ける最後の手紙
翌日、俺は結局ゲンキと二人で四十九日に来ていた。


法要も終わり、俺とゲンキとおばさんの三人だけが、アサミの遺影の前に残った。


「……由ちゃんもゲンキ君も、今日は本当にありがとう……」


四十九日を迎えた今日まで、本当に大変だったのだろう。精神的にだけじゃなく、肉体的な疲れも見て取れる。


今日、この状況でこれを言うのはどうなんだろう……しかし、今日言わなければ、一生口に出せなくなってしまうだろう。


と、その時……


「あぁ、腹いてぇ!ちょっとトイレ!」


と言って、ゲンキが俺の肩をポンと叩き、その場を立った。


……なんか見た事あるな、このシチュエーション。


そうだったな。ゲンキがアサミに告白したあの日、俺も全く同じ事をやった。


……ありがとう。



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