君に届ける最後の手紙
「はいっ……と、これで帰りのホームルーム終わり。学級委員、号令な」


「起立……礼!」


「さよぉならぁ〜」


この日、俺とアサミは珍しく待ち合わせをしていた。勿論デートというわけではない。


今まで縁する事もなかった"図書館"なんて所での待ち合わせだ。


「ゆ・う・ちゃ〜ん。お待たせ!逃げずに来たね。偉いじゃん!」


「逃げるも何も、逃げたってどうせ俺んちでミッチリやられるだけだろ」


「おっ?段々鋭くなって来たねぇ……勉強の成果かしら?さぁさ、楽しい図書館デートへGO!」


鋭くなくたって、それぐらいの予想は着く。


「楽しいねぇ……」


不安が俺の脳を完全に支配した。


もの静かな図書館の階段を上がって行くと、更に静かな部屋に着いた。


「なんじゃこりゃ。まるで宗教団体だな」


そこには物静かな受験生の群れが、長テーブルに置かれた教科書にかじりついていた。


ここまで来るとカルト教団の域だ。


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