君に届ける最後の手紙
しかし、アサミが言っていた"俺の顔が変色するまで"とは一体どういう事だろう……。


そんな事を考えていると、いつの間にか時計は夜8時を回り、閉館の時間になっていた。


結局アサミは戻ってこない。気を聞かせて先に帰った様だ。


「由くん……一緒に帰らない?」


「!!!!!!!!!!」


「ダメ?もう暗いし、一緒に帰ってくれると助かるんだけど……」


「いやいやいやいや!いいよ!うん!夜道は危ないしね!一緒に帰ろう!そうしよう!」


まずい……完全に動揺していた。


「よかったぁ……でも大丈夫?さっき顔真っ赤だったし、風邪でもひいたのかと思ったけど……」


"変色"の謎は解けた。草のアサミは俺の事をよく解っている。


「あぁ……あれね!空調暑かったからさ!……んじゃ行こうか!」


< 28 / 233 >

この作品をシェア

pagetop