君に届ける最後の手紙
そこから20分くらい歩いただろうか。


アサミに蹴られたりした…


沢山荷物を持たされもした…


が、ついにその時は訪れた。


「キングパフェ……キングパフェ……キングパフェ〜!」


俺は夢を見ているんだろうか……目の前には、大きい花瓶の様なグラス。


その中には幾重にもなったバニラアイスとチョコレートソース。


その下にはアイスの染み渡ったサックサクのシリアル……は、アサミにあげよう。


そして忘れちゃいけないのが一番上のフルーツ達。


リンゴ、パイナップル、バナナがチョコスプレーで化粧をしている。そんな中でアピールしてくるウエハース……は、アサミにあげよう。


とにかくアサミが頼んだノーマルサイズとは一目瞭然。俺の目の前には桃源郷が広がっていた。


桃源郷とは、シャングリラなわけで、パラダイスなのだ。


それを食べる俺をアサミは目を皿の様にして見ていた。


「まぁ、よく食べるねぇ。さっきまでとはまるで別人だよ……」


「当たり前だろ?!パフェさえあれば俺に死角はない!」


「意味わかんないよ」


< 41 / 233 >

この作品をシェア

pagetop