君に届ける最後の手紙
巨大パフェを食べた俺は、アサミに連れられるまま公園に着いた。


「由ちゃん!ブランコに座ろ!」


「ん?おう」


腹一杯になった俺はドッカリとブランコに腰を下ろした。


「アサミ、今日御馳走さんな」


「いいえぇ。お祝いだしね。てかアタシ、由ちゃんの食べっぷり好きなんだ。見てて気持ちいい」


「へぇ。んじゃ毎週食ってやるよ」


「ん〜。高いから遠慮しとく」


「あ、そう」


しかしこの公園も初めて来たが、なかなかいい。決して大きくはないが……良く陽が射している。


「あ、今いい顔してる……この公園気に入った?」


「75点」


「可愛くないなぁ。……てか由ちゃん、アタシがなんで黄色好きか、ホントに覚えてない?」


「またそれか?……全然わからん」


「ん〜。黄色はね、アタシの人生を変えた色。ラッキーカラーみたいな感じ」


「ラッキーカラー?」


「そ。ここまで言っても気付かないかぁ……まだ小学二年の頃、アタシ同じクラスの男子にいじめられてたでしょ?あの時由ちゃんが助けてくれて、泣いてるアタシに、涙そのままにしてると痛くなるよって、黄色いミニタオルくれたでしょ?あれ、すごく元気出た。いじめっ子に負けないぞ!って思えたんだ。覚えてる?」


覚えてる。が……


「覚えてね〜」


「はぁ……なんでアタシ、アンタに人生変えられたんだろ……」


アサミの泣いてる顔は思い出したくない。


「ま、由ちゃんはその方が由ちゃんらしいかぁ!」


「どーゆー意味だよ」


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