君に届ける最後の手紙
「……ちゃん……由ちゃん……由ちゃん!」


「……なんだ……もう朝か」


「もう朝か……じゃないの!遅刻するよ!」


「そんなのいつもの事……じゃねぇ!今日試験だ!」


「母さんパンくれ!」


「はい!焼きたて!」


「ありがと!じゃ行ってくる!」


「由ちゃんバッグ忘れてるよ!」


「おう、サンキュ!んじゃっ!」


「しっかりね!」


「あいよ!」


ワタワタと忙しい朝だ。まさかドラマなんかでよく見る"パンを片手に走り出す"を、自分がやるとは思ってもみなかった。


アサミじゃあるまいし。


< 54 / 233 >

この作品をシェア

pagetop