君に届ける最後の手紙
「急げぇ……急げ!俺!!!」


息を切らして走る俺に、アサミの予言が敢然と立ち塞がった。


「……つめたっ!ん?雪?」


しかも段々強くなってくるもんで。


「コラ!アサミ!オイッ!予言取り消せ!」


吹雪いてくるもんで。


「うぉぉぉ〜!」


参った。と、そこに。


「おぉ、由!こっちだこっち!乗れ!」


野球部の監督だ。ベリーベリー・ウルトラ・スペシャル・ミラクル・グッドタイミング。


「ったくお前は、こんな時でも遅刻するのか!」


「えぇ……まぁ……」


「高校行ったら気ィ付けろよ?単位落として進級出来ないなんて事もあるからな」


「マジすか?そりゃヤバイ……」


「ま、あの高校じゃしばらく遅刻する事ないだろうけどな」


「へ?どゆ事すか?」


「お前、パンフレット読んでなかったのか?あそこ半年間寮に入るんだぞ?」

「……半年?!」


「半年だ」


「絶対?!」


「絶対だ」


「先生、俺受験やめます」


「ダメ!」


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