君に届ける最後の手紙
部活も終わり、帰路につくと、いつもの様に後ろからうざったい声が飛んで来る。


「お疲れさ〜ん!」


しかし、いつもとは違った。


「なんだぁ?一人で淋しそうだなぁ由君」


当然、ゲンキも一緒にいるわけだ。段々ゲンキまでうざったく感じて来た。


「うるせー。二人で絡んでくんな。居づらくなるだろ」


「そう言うなよ。お前も早く恋人作れ」


「別にいらねーよ。めんどくせーし。いいから二人で帰れ」


すると二人は、仲良く手なんか繋いで去って行ってしまった。


「ホントに帰っちゃうし……」


何だろう。俺の胸には、妙なモヤモヤと小さな淋しさが残る。


別に恋人がいない事なんて、大して何も思っちゃいない。


……なら一体何なんだ……。


「別に寂しくなんかねぇし……」


と、強がりを一つ。路上に落ちている空き缶を蹴飛ばした。


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