君に届ける最後の手紙
「ゲンキ、一緒に帰ろう。ちょっと、相談事が……」


「ん?あぁ、言われなくても一緒に帰るけど。相談ってのは珍しいな」


自分で言うのもナンだが、本当に珍しい。が、この件だけはゲンキぐらいしか話せるやつがいない。この件に関しちゃ彼はパイオニアだからだ。


そして帰り道。


「ゲンキ……告白ってどんな感じだ?」


「どんなって……あ、アサミさんか?!」


「あぁ。どうやって自分の気持ち伝えたらいい?」


「ん〜、どうやっても何も、思ってる事全部伝えりゃいいじゃん。三年間ずっっっっっと想ってたんだろ?思いの丈も腐るほどあるだろうが」


「でも、どうやって切り出していいのやら……」


「クラス同じなんだからチャンスの一つや二つはあるさ。それを逃さない事だな」


「……だな!よしっ!前向きに行くぞ!玉砕覚悟!」


「ん!頑張れ由坊!」


俺達二人はバカみたく肩を組み、意気揚々と帰宅した。


……決戦は明後日。


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