君に届ける最後の手紙
30分程待っただろうか。バスが着き、俺達二人は急いで乗り込んだ。


まぁ、いくら急いで乗ったところでバスが超特急になる訳でもなく、間に合う訳でもないのだが……。


案の定約20分、ゆっくりバスに揺られ目的地に着いた。


バスから降りると、二人で息を合わせ……


「せーの……ドン!」


で猛ダッシュを始めた。


急げ……もう入学式は始まってるはずだ。


「ハァ……ハァ……広過ぎるよね、ここの敷地」


「ゼェ……ゼェ……そ、ゲホッ!そうだね!ゲホォ!」


あ、また瀕死だ。喋り掛けるのはやめよう。今はとにかく走るのみだ。


10分くらい走ると、校門が見えて来た。が、そこには教師が立っていた。


生徒指導の先生ってところか。


「カズシ君、正面突破だ!」


「うん!」


しかし思った通り、呼び止められる。


「コラお前ら!入学式に遅れるとはどういう事だ!」

カズシがビクつき、脚を止める。


「ダメダメ!カズシ君、シカトシカト!……センセ!話は後で!」


「コラァ!逃げるな!」


先生も野暮なもんだ。止めてくれるな。


なんとかその場をやり過ごし、やっとの事で式場である体育館に辿り着いた。


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