君に届ける最後の手紙
俺の名は呼ばれる事なく……と言うか、もう呼び終えていたらしく、それから程なくして入学式も終了。


教室に戻る途中の事。


「ねぇねぇ由君ってどこの中学だったの?ヤンキーばっかりの中学校だったんでしょ?番格だったとか?」


番格っていつの時代だよ……。てかまず名乗れ。


「あ!あの人だよ!遅刻して来た人!絶対ヤンキーだって!」


困ったもんだ……遅刻しただけでヤンキーか。カズシも同じ様なものか?


「どれどれ、カズシ君は……あ、いたいた……ん?」


誰にもて囃される事もなく、涼しい顔をしていた。


「この差は何だよ!」


まぁ無理もない。向こうは背丈もなくヒョロヒョロしていて、こっちは痩せてはいるものの背丈はあるわ眉毛は綺麗に整えてるわで……が、ヤンキーはやめて欲しい。別に喧嘩好きとか言うわけでも、非行という事をしてきたわけでもない。


ただ普通の遅刻魔だ。


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