君に届ける最後の手紙

さて、学校の行事らしい事は全て終わり、今度は入寮式。


この間、布団や荷物関係を運んだので解ってはいたが、ボロい上に狭い。お化け屋敷の様だ。


この寮の事を知ってる大人に聞くと十人が十人全員同じ事を言う。


｢牢獄｣


その意味をまだ俺は知らない。


｢本当に不便そうなとこだよね……由君｣


だから誰だよ！みんな俺の名を知っているらしいが、俺はカズシとタクヤぐらいしかしらない。


そうそう。中総体の時に当たったピッチャーのタクヤも、どうやら合格していたらしい。さっき見かけた。


さて、新入生全員が多目的ホールに集まると、舎監の先生がゾロゾロと集まり、自己紹介を始める。


それも一段落着くと、寮の説明が始まった。


｢まず、この寮の禁止事項を説明します｣


禁止事項？まぁ、有り体なもんだろ。


｢え〜、まずドライヤーやＣＤ等の家電製品、もちろんゲームやウォークマンなどの持ち込みを禁止します｣


｢！！！｣


"まず"でそれか……。


｢テレビは食堂のみの設置となってます。諸君らの部屋には設置してません。もちろん持ち込みも出来ません｣


｢！！！！！！｣


確かになかった。これは……。


｢そして、男子棟と女子棟に別れていますが、互いに異性の立ち入りは禁止です。もしそのような者がいれば、即刻退寮、退学ということになります｣


まぁ別にそれはいいが、確かに牢獄だ。大人の言う事は間違っちゃいない。


この先が思いやられる……。