君に届ける最後の手紙
その日は学校内の紹介と、部活動の宣伝ぐらいなモンで、特に授業らしい物もなく、4時には寮へと戻る事になった。


「はぁ……なんか疲れたな」


「あぁ。ところで、タクヤはやっぱ野球部に入るのか?」


「当然。由も野球部だろ?」


「……いや、俺は入らない」


「え?じゃ何部に入るの?」


「まだ決めてない。でもまぁ、部費が安い運動部ってとこかな。うち相変わらず片親だからさ」


「そっか……由がいたら、いい野球部になると思ったんだけどな」


「俺も野球やりたかったけど、それだけはどうしようもないからな」


コンコン……ガラッ……。


突然の客だ。何やらここに住み慣れた感じ、先輩の様だ。


「お邪魔するよ。ちょっといい?」


俺達は顔を見合わせた。


「はい、どうぞ」


タクヤがそう言うと、先輩は静々と部屋に入り、ゆっくりと話し始めた。


「さっき209の二人にも話してきたんだけどさ、過去にここと209号で……死んだ人がいるんだ」


「!!!!!!!!!!」


「それで、寮にいる間そこのベッドを絶対ずらすな!あと、夜中に窓の外が光ったりする事があるけど、絶対外を見るな!解ったな?ずらすな見るな!絶対だぞ?!」


と言うと、先輩は去って行った。


「…………………………」


「なぁタクヤ……二段ベッドフルに活用しよっか……あっちのベッドは使いたくないし……」


「……だな……二人でこっちに寝よう……」


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