君に届ける最後の手紙
新芽
入学式から三日もすれば学校全体もある程度落ち着き始め、各教科担当教師の自己紹介なんかも終わり、まともな授業が始まる。


今日は俺が楽しみにしていた体育の授業だ。


まぁ、野球ではなくサッカーというのは不本意ではあるが、初めての体育というのは、いやがおうでもワクワクするものだ。


「由くんってサッカーとかもうまそうだよね!背高いし」


「いや、そうでもないけど……」


あれ?コイツの名前何だっけ……あぁクマガイだ。


昨日聞いたのだが、なんせ同じクラスの連中40人の名前を覚えなきゃいけない。こりゃしょうがないというもんだ。


そして試合開始。最初はみんなやる気もなく、和やかムードで試合は進んで行った。


が……


「いってぇ!何だよ今の!ファウルじゃねーの?」


「ちげ〜よ!ただチェックしに行っただけだろ?!」

中盤に差し掛かるとヒートアップ。本気になるもんだ。


「チックショー……きたね〜な」


俺の闘争心にもエンジンがかかる。


試合は2対2で残り後5分。いい試合だ。


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