君に届ける最後の手紙
「ゲンキく〜ん!お待たせ!」


が、返事がない。そこには息絶えた屍と化したゲンキの姿があった。


「あぁ、こりゃダメだな。爆睡モードだ」


「ゲンキく〜ん!おきろぉ!!!」


「………………」


「ダメダメ、そんなんじゃ起きね〜よ。……ゲンキぃ……クリーム塗るぞ?」


ビクゥッ!


「!!!それは嫌だぁ!!!」


「なっ?起きたろ?」


「さっすが由ちゃん!で?クリームって何?」


「深くは言えないけどな。まぁ、ゲンキのトラウマだよ」


「へぇ……」


アサミは知らない。修学旅行の時の"寝てる間に脱毛クリーム塗られて髪の毛以外の毛という毛、全てツルッツル事件"を。


もちろん犯人は俺。


まぁ、かくしてゲンキは目覚め、花見を開始する事が出来たわけだ。


「ねぇゲンキ君、クリームってなぁに?」


「………………………」


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