キミのいる世界で

 私の朝というものは、静かにいかないよう出来ているらしい。

 窓を破壊するくらいの勢いでぶつかる何かの物音で、私は飛び起きた。

 締め切っていたカーテンを開ければ、いつぞやのハト。やはり足には何やら手紙をつけている。


「あなた、もっと優雅にノックすることは出来ないの?」

 ハト相手に文句言いながらも、窓を勢いよく開けると。こちらもまた、勢いよく飛び込んできた。

 前回と同じく、手紙を取ってやれば華麗に飛び立つ一羽のハト。


 それから程なくして。

 ソファに腰掛けつつ手紙の内容をみることにしたのだけれど、文字の多さに一瞬眩暈がした。

 差出人は、やはりフーリオで、内容といえば私に対しての注意ばかり。

 かなりの長文であるのにも関わらず、自分たちのことは何一つ書いていない何とも味気ない手紙だ。

 期待していたわけではないが、やはり少しだけガッカリしてしまう。


「はぁ、お腹すいた」

 そして、どんな時でもお腹はすくのだと実感した。


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