トレードな同居人
――…なんで?
―…どうして?
なんで、眞子は悠を呼び捨てにするの?
なんで、二人はそんなに楽しそうに笑うの?
私は全然楽しくなんてないのに…
ドロドロとした感情が体中を駆け巡って胸の辺りがモヤモヤとする。
「………楽しそうだね、眞子も悠も。」
『楽しいよ?結菜も楽しんでね!じゃあまた学校で!』
「あ、ちょっと…っ!」
躊躇いもなく切られた電話の向こうでやっぱり楽しそうな悠の話し声が聞こえてイライラした。
これが八つ当たりなのはなんとなくはわかってはいるけど、それでもイライラしてしまうんだ。
どうして私だけこんなにイライラしなきゃいけないのか…とか。
考えれば考えるだけやっぱりイライラして手に持っていた携帯電話を強くにぎりしめていた。
「……なんなの…ほんとに…」
自分でもよくわからないようなドロドロとした感情にまたイライラして、唯一安らげそうなソファーに座って膝を抱えた。