トレードな同居人
2話 浮気=本気?
ふと壁に掛かった時計を見れば可愛らしい…いや、メルヘンなフリフリお姫様スタイルの部屋に来てから約2時間。
ポツンと置いてある荷物を見てまるで私みたいだと思い自分を嘲笑う。
「……考えたって仕方ない…よし!」
膝をポンと一つ叩いてソファーから立ち上がり、入るなと言われた部屋の手前にある扉に手を掛けてゆっくりと押し開く。
ギィ―と木がこすれる音と共に視界に飛び込んできた部屋の内装にそれこそ開いた口がふさがらなかった。
「う…わー……可愛い〜…なんて言えるか!」
扉を開けてすぐ横、入口横に置かれたチェストに飾られたふわふわしたクマを思わず投げつつ、一人ノリツッコミのような事をしてしまう。
「……………有り得ないって…」
アパートに入って、リビングを見てすごくメルヘンチックだと思った。
でも、まだそれは許容範囲内だったし…十人十色。
世の中には色んな趣味があるんだと納得はしていたつもりだ。
でも、これはないと思う。
扉を開けるとそこは違う国でしたー、なんて錯覚すら覚えてしまうんだからある意味すごい。