-Somewhere far far off in the sky-
Azusa

あいつは猫

真っ白で穢れのない
純粋な目で幸せを問う
そんな猫

「部長この書類なんですが」
差し出された書類を受け取ると、俺はパラパラと捲る。

「ああ、これでいい。君は仕事が速くて助かるよ」

軽く笑みを浮かべたら判を押し彼女に渡す。


今日の目標は5時に仕事を終わらせること
昨日偶然に出会ったアイツがあまりにも嬉しそうにしていたから
もう一度無邪気な笑顔を見たいと

柄にもなくそう思った。
雨の中一人でベンチに膝を抱いて空を見上げていた。

人よりも大きな目から寂しさを訴えていて、俺は見惚れたように突っ立っていた。
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