-Somewhere far far off in the sky-
Azusa

「それならどうぞ行って下さってもいいですよ。何時も部長が人の倍仕事していらっしゃいますし、私暇なので残業しますよ。」

ぐっと心が揺れる。
だが人の上に立つ者として威厳がたたない。

「大北の言葉に甘えたらどうだ?お前がが時計みてイライラしているよりいない方が空気もよくなる」
ドア際にたつのは同年の松田。
新人時代からの仲でこいつは外回りをする事が多く、仕事は速いが仕事だとしても俺に改まった態度をとらない。

「松田、俺は人の上に立っている人間だ。自己の問題で仕事を部下に押し付けるわけにはいかない」
「そうは言ってもお前まだ全然書類なくなってないだろ。俺も彼女の手伝いをするからさっさと行け」

しっしといいながら俺は鞄と共に外に追い出される。
仕方なく俺は今度ケーキでも差し入れしようと決めると、アイツに会うために急いで社を出た。

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