私こそ光る☆君~グランプリ編~
紫水、それどういう意味?

清龍、その剣呑な眼差しは何?

遥、何がそんなに気に入らなかったの?


突然なぜこんな雰囲気になってしまったのか分からず、首を傾げる。


「離れようね、由依」


「やだーっ☆」


こちらににじり寄ってきた紫水に由依は必死の抵抗もむなしく簡単に引き剥がされてしまった。


普段、紫水はめったに本気にならないからわからなかったけど、その細腕に反して腕力は相当に強いらしい。

強いのは財力、権力もだけど……。


『嫌がってるんだから、そんなに無理やり引き剥がさなくても……』


紫水から遥へと引き渡され、取り押さえられてふてくされた様子の由依を不憫に思って言った言葉。

その言葉に紫水はとんでも発言で対応してくれた。


「じゃあ、僕が君に抱きつきたいって言ったらどうするの?

君を腕(かいな)に抱いたまま、“片時も離れたくない”と言って別たれることを拒んだら?」


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