私こそ光る☆君~グランプリ編~
『……ごめん』
めったに笑みを絶やさない紫水の痛みに耐えるような歪んだ表情に切なくなって、ぽつりとつぶやいた。
その声を聞いて一瞬ハッとした様子を見せた紫水。
やがて彼はその表情をゆっくり笑みへと変化させ、諭すような口調で言葉を紡いだ。
「ダメだよ、そんなに簡単に謝ったりしちゃ。
ほんの一片でもその胸にプライドというものが存在するなら、そんなに簡単に頭を下げちゃいけない。
君は僕に何か謝らなければならないようなことでもしたの?」
いつもみたいに色んな感情を押し隠したような作りものめいた笑顔ではなく、まっさらな笑顔だった。