私こそ光る☆君~グランプリ編~
それでもやはり、努力ではどうにもならないことがあるというのがこの世の無情。


「うん?

どうしたの?」


『……っ』


私の努力の結晶である作り笑顔は、私より遥かに完成度の高い作り笑顔一つによってあっさりと打ち砕かれる。

長年の経験によって練達された技術を持つ熟練者には敵わない。


その紫水に敵わないなんて言わしめる人って誰よ!?


『はぁ~、あのね……』


これ以上の抵抗は無駄と見た私は隠し通すことを諦め、正直に話し始めた。


“どうせこうなるって分かってたなら、抵抗するなよ”

なんて言わないで欲しい。


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