お隣サマは運命の人

びっくりして翔ちゃんの顔を見たらいつもみたいな笑顔じゃなくて、今まで見たことのない男の人の顔をしてた。


それに反応して自分の鼓動がうるさくなる。


時間が止まったかのようにお互い見つめ合ったまま動けないでいた。



どうしよう・・・



どうすればいいのかわからなくて、でも真剣な顔をした翔ちゃんから目も離せなくて、周りの雑音すら遠くに聞こえる。



「―――!?」



翔ちゃん?!


動けない私とは対照的に翔ちゃんの手が頬に触れる・・・



「愛菜・・・。あのさ、」



沈黙を破って翔ちゃんが何か言いかけた時



「翔太?」



はじかれたように声のした方を見ると、一組のカップルが立ってた。



「やっぱり翔太じゃん!」



「久しぶりだな!」



「おぅ…。お前らも花火か。」



さっきまでの翔ちゃんじゃなくていつもの翔ちゃんに戻ってる・・・


二人とも知り合い?


なんて平常心を装うとするものの会話をしてる三人の横で私の心臓はさっきより大きな音を立ててる。



一体さっきのはなんだったの?







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