お隣サマは運命の人

正反対


あの花火大会から二週間、夏休みも折り返して何事もなく過ぎた。


そう、何事もなく・・・



あの日翔ちゃんは何を言おうとしてたのか、なぜ様子がおかしかったのか、私からは何も聞けなかった。


翔ちゃんだって次の日にはいつも通りの翔ちゃんで、逆に、ただ私がドキドキした分自意識過剰になってたのかなって思うくらいで・・・


だからなおさら今まで通りを意識した。


そんなこんなで翔ちゃんは2泊3日の研修会に行くことに。



「翔ちゃん、いってらっしゃい!」



「あぁ。俺がいないからってバイト遅くなるんじゃねぇぞ?」



「わかってるよ。ちゃんと帰ったらメールするから、ね?」



「ん。待ってるよ。じゃ、いってきます。」



「は~い。いってらっしゃ~い!!」



翔ちゃんが見えなくなるまで手を振ってたら、何度か振り返ってくれてそんな些細なことですら嬉しかった。




小学校の先生も大変だな…。


さ、私もバイトの準備しよっと。



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