お隣サマは運命の人


「今、研修会で帰りは明日の夜だと思います。」




明日かぁ。なんて小声で話す姿でさえきれいで思わずみとれちゃう。


こんなきれいな人が同期だなんて、翔ちゃんの周りには私みたいなお子ちゃまいないんだろうな・・・



目の前の女性に落ち込みながら家に入ろうとした私は引き留められた。



「すみません。ちょっと明日は用事があるんで来れそうもないし、翔太さんに渡して頂けますか?」



そう言って裏にササッと何か書いて名刺を差し出された。




「あ、はい・・・」



その一連の動作があまりに自然で

‘絶対この人仕事出来る’

なんて関係ないことを思いながら名刺を受取った。



じゃ。と綺麗な微笑みとともに背中を向けて歩き出す彼女。


何も言えず見送っていた視線を手元の名刺に移す。



「・・・うそ・・・」



かすかに震えた手元にある名刺には見たくなかった答えが書いてあった。






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