お隣サマは運命の人

「愛菜、泣き止めよ。沙羅姉の思うつぼじゃん。」



「・・・え・・?」




いつの間にか勝手に部屋に入ってきた利央に邪魔される。


おかげで愛菜の涙も止まっちゃった。




「もう!勝手に入ってくんな。ってか邪魔すんな。」



「だって玄関に愛菜の靴あったからさ。って愛菜泣かせて遊ぶなよ。」



「・・・遊ぶ?」



「馬鹿だな、愛菜。沙羅姉は愛菜の泣き顔見たかっただけだぜ。」



「・・えっ、そうなの?」




すっかり泣き止んだ愛菜はまだ少し赤い目で睨む。



「バレた?はぁ~、久々に愛菜の泣き顔見た~。利央のせいですぐ泣き止んだけど。」





もう!なんて文句言ってるけどでもちょっとスッキリしたのかな?


さっきみたいに顔色は悪くない。


愛菜は愛菜のよさがあるのに人と自分を比べて自信なくすことないんだよ。


誰だって片思いの時は人の魅力の方に敏感になっちゃうけど、だからって翔ちゃんに対する気持ちにまで自信なくす必要ないんだから。


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