お隣サマは運命の人

「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。」




丁寧に下げられた頭に軽く会釈をして店を出た。




「何回会釈してんだよ。」



「だって、あんなお店慣れてないんだもん。」



「社長令嬢が何言ってんだか。」



「あのね〜、いくらパパが甘くてもあんなブランド店滅多に来ないよ。
はあ〜なんか緊張して肩凝った。」



「はいはい、お疲れさん。ありがとな。」



「ううん。このために今日出かけたんだね。やっとスッキリした。」



「あぁ、これは頼まれもんで、用事は今からだよ。」



「え?終わりじゃないの?」



「愛菜はこないだ会っただろ?美和と。今日これから美和の帰国パーティーなんだ。」



「…え…?み、みわさ…ん?」



「そっ。美和がお前連れて来いってうるさくてさ。」






な、なんで…?


なんで美和さんが私を呼ぶの?


たった一回会っただけなのに。


それに…


もしかしてそのネックレス…


美和さんへのプレゼント…?


そうとは知らずに翔ちゃんに頼られたことが嬉しくて…


元カノへのプレゼントを浮かれて選んだの…?


…さい…あく…


翔ちゃんのバカ…
< 154 / 201 >

この作品をシェア

pagetop