お隣サマは運命の人

「で、お前は今ここにいるわけね。」


「・・・うん。」




翔ちゃんとバトンタッチしたのはいいけど、そもそもここにいる知り合いって大地君以外いないわけで・・・


少し離れて見る翔ちゃんと美和さんは見惚れる位お似合い。




「ねぇ、大地君。どうしてあの二人って別れたの?」


「ん~、なんでって、俺が話していい話題じゃなくね?

本人に聞けよ。俺はあいつらの気持ちまで代弁できないだろ?」


「そうだけど・・・

聞きにくいっていうか、聞きたいような聞きたくないような。」


「愛菜がちゃんと向き合おうとする時になれば、聞けるようになるだろ。

聞けないってことはまだ向き合えないってことだと思うし、

その時が来たらなおさら人伝いじゃなく自分で聞くべきだと思うぞ?」


「そうだね・・・。」




翔ちゃんを好きだと言いながらもホントは今の関係が変わることが怖い。

美和さんと話してる翔ちゃんは私の知らない時間を過ごしてる時の翔ちゃんだ。

結局、私は毎日顔を合わしてても隣に住んでるその時の翔ちゃんしか知らないんだもん。

友達とはどんな話をして、どんなふうに遊んだり、盛り上がったり、そういう時間を知らない。

当たり前だけど、すべて同じ時間を過ごしたわけじゃないから。

ここにいる人たちは私が知らない翔ちゃんとそういう時間を過ごした人たち。

悲しいわけでも羨ましいわけでもなくて・・・少し淋しい。

もっともっと翔ちゃんを知りたい・・・



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