お隣サマは運命の人

「愛菜ちゃんの聞きたいこと、ちゃんと伝えてあげられたかな?」



「え?」



「気になってたでしょ?私と翔太の関係。」



「・・・はい。」



「キスはしたけど、私はキスした時にはっきり別れを再認識したの。」



「えっ?別れですか?」



「そ、彼氏との初キスでね。もともと、友達の時の方がしっくりきてたかな?って悩んでたんだけど、やっぱり違うって感じた。ごめんね、愛菜ちゃんにとってはキスする前に気付いてよ!って感じよね。」



「え・・いやぁ・・・。」



「ふふ。ごめんごめん。答えにくいよね。
でもね、翔太だって大人だし、きっと、愛菜ちゃんが聞いたら落ち込むような経験はあると思うわ。だからといって、今から全部消すことは出来ない。それに今の翔太は過去があっての今だから。きっと純粋に翔太を好きな分、過去にヤキモチ妬いちゃうこともあると思うけど、きっと翔太も今まで違和感感じてたはずよ。それが何かわからなかった本人が自覚して告白した。
私や大地にしたらやっと?!って感じだけど、翔太自身は違う意味でやっとしっくりきてるはず。
だから、恥ずかしいとか、今さらな歳の差とかそういうの抜きでちゃんと翔太と向き合って欲しいの。」



あれだけ翔ちゃんからの告白にテンパってたのに美和さんの言葉が心に静かに染み渡ったみたいだった。


ちゃんと向き合おう、そう思った。



「元カノとしてじゃなく、翔太の友達として、そして愛菜ちゃんの友達として応援してる。」



「美和さん・・・。」



うっすら涙を浮かべた私にニヤッと笑う美和さん。




あ・・・この顔知ってる・・・


沙羅の悪魔の微笑みにそっくり・・・・





「教育者が女子高生に手を出すのはいただけないけど、秘密は守るから❤」





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