お隣サマは運命の人

「ね、翔ちゃん。とりあえず離してくれる?」



「やだ。」



「や・や?!ちょっ!ちょっと翔ちゃんなんの冗談?

もしかして起きてたの?寝たふりしてたの?

どうして寝たふり?いつから起きてた?!」



「だから、ゆっくりしゃべって。まだ頭ん中起きてないんだけど。」



「だ・か・ら!まず離して欲しいし、遅刻しちゃうんだってば。」



「大丈夫だよ。時間はまだ余裕。

それより愛菜さ、なんでいつも通りの起こし方なわけ?

せっかく付き合ったんだからその辺変えようぜ。」



「いいいい意味わかんない。

変えるって言ったって翔ちゃんを起こすのは落とすのが一番早いし。」





引っ張り込まれた時とは違って少し上を向けば翔ちゃんの顔、正面を見れば翔ちゃんの胸板。


恥ずかしすぎてどっちも見れない。


もがいてみるけど翔ちゃんは片手を回してるだけで余裕の表情。


知ってたけどこんなに力の差があるのは悔しいかも。


翔ちゃんの視線をずっと感じてる。


目が合わなくても見られてるってだけでさらに心拍数大変なんだけど。





「愛菜。」





優しい声に思わず翔ちゃんを見る。













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