お隣サマは運命の人
「なるほどね~。翔太さんもやっぱり一人の男なわけね。」
朝のやり取りを理恵さんの店に向かいながら話したら、沙羅はそう言った。
「だから言ったろ。翔太さんは愛菜のペースに合わせるつもりだけど、かなり我慢してんだよ。」
そういうのはレオくん。
「まぁ、合わせつつちょっとは引っ張りつつって微妙な駆け引きだな。」
と、リオくん。
「あのさ、なんか話ずれたよね。私はただ明日から翔ちゃんの寝顔見れる時間が短縮になった話をしたのに。」
「あ~、いいのいいの。気にしないで。こっちの話だから。
それより翔太さんからの忠告、ちゃんと覚えときなよ。」
「あ~、うん。警戒心でしょ。大丈夫。」
「頼りねぇ。絶対愛菜はわかってない。」
「わかってるよ!だって翔ちゃんが傷つくのはやだもん。」
「ま、俺らもいるし、愛菜も多少自覚したんだし、よしとしようぜ。
さ、入るぞ。」
理恵さんの店の中に入る直前に沙羅の顔を見たら、いつになく緊張した表情をしてた。