lose faith
『専務‥何かトラブルですか?』
『‥今日…波音がwonderの入社試験に行ってるんだ……』
『そういえば今日でしたね‥それが何か?』
『それは問題じゃー無い…村瀬‥覚えてるか?大学の時に凪の取り巻きにいた女で真田って奴を…』
『あの学祭の時の?』
『あぁ…そうだ』
『アイツが何か?』
『試験会場で波音と真田が鉢合ったらしい…恐らく、そこで波音に何かした…』
途中で電話切られて状況は分からないが...と言って黙ってしまった。
村瀬はサイドミラーに映る浬の険しい表情を見ていたたまれない気持ちだった‥
村瀬にとっても波音は妹のように可愛い存在だ…
少し前まで波音は浬や凪、絡みでよく嫉んで虐められたりトラブルに巻き込まれてた‥
でも波音は弱音を吐かない‥浬や凪に助けも求めない…
偶然、見かけて知った‥波音が隠れて泣いていた事を…
だから何度となく波音を護り慰めていた。
最近は何事も無く穏やかに過ごせていたのに…
握り絞めていた拳に更に力が篭った…