lose faith
pain
営業課のフロアーでは少々、苛立ちながら電話で話す佐野の姿があった…
そろそろ、波音を迎えに行こうという時に担当バイヤーから電話が掛かってきた…
何時もなら簡潔に話しを済ませる筈のバイヤーが今日に限って話しが長い・・・途中から相手の話しには適当な相槌を打って時間ばかり気にしている。
直ぐに電話を終わらせたい佐野は他から電話だからと言ってやっと電話をきった。
面接会場である隣の棟に向かって連絡通路を急いだ…
エレベーターを降りると先程とはフロアーの様子が違っていた‥普段、居る筈のない人数の警備と慌ただしくしている社員の姿が…
気にはなるが‥今は待たせている波音の方が気掛かりで会場前に向かったーーー
だが‥その場所に波音の姿は無かった…
ただ端の席にbagがひとつ置かれていた…
よく見とシンプルだが上質な革の某BRANDのbag‥そう、それは彼女・波音の物だった。