lose faith


家に着くと既に田辺が出迎える為に玄関に立っていた

田辺は父が子供の頃からずっと真咲家に仕えてくれている。


『お帰りなさいませ…』


『済まないな‥こんな時間に‥』


『お気になさらずに‥』


田辺に病院に持って行ける朝食を用意するように頼み父親の漣と浬はそれぞれにシャワーを済まし手早く身仕度を調えリビングに降りてきたーーー


『旦那様、坊ちゃま何かお召し上がりになりますか?』


『オレは病院で戴くよ‥』

『じゃーオレも向こうで戴くよ‥アッ‥コーヒーをお願いします。』


『畏まりました‥』


直ぐに二人の前にコーヒーがだされた‥田辺の気遣いで、恐らく一睡もしていないで有ろう二人にエスプレッソが用意された…


二人はエスプレッソを味わうと田辺を呼んだーーー


『もうお出かけになられますか?』


『あぁ…』


『車の用意は出来ておりますのでどうぞ‥』


玄関に向かいながら…


『田辺、済まないが昼と夕飯を病院まで届けてくれ‥恐らく耶音はノンの側から離れないだろうから…あと耶音の着替えも頼む‥』


『畏まりました。』


二人は車に乗りこむと直ぐに走りだした。
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