lose faith
波音は新たに用意された車に案内された。
小野が後ろのドアを開けるーーー
『小野サン‥隣に座っても良いですか?』
『ハイ‥どうぞ‥』
ニッコリ微笑みながら助手席のドアを開けてくれた…波音が乗るとそっとドアを閉め、運転席に回った。
シートベルトのカチャと音がすると、ゆっくりと走り始めた。
暫く無言の車内…
『お嬢様‥同じ体勢でお体辛くないですか?』
『‥あのッ‥』
『ハイ‥?』
『その‥お嬢様って呼ぶの止めて貰えませんか?』
『エッ?でも‥』
『私はお嬢様なんかじゃないですから‥』
表情を曇らせ俯いてしまった波音‥
『でわ‥こうしましょう!私が波音チャンと御呼びするかわりに私の事も小野では無く瞳真と呼んで下さい!』
『でもそれは‥』
『お互い堅苦しいのは無しにして‥ネッ?』
『ハイ‥』
『フッ‥じゃー改めて、宜しくね?波音チャン‥』
『ハイ‥宜しくお願いします‥瞳真サン?』
『アハッ‥何で疑問系?』
『フフッ‥』